医療ISAC活動趣旨

医療ISAC (Medical ISAC)活動趣旨書

2021年から2022年の医療機関におけるサイバー事故の多発を受け、2023年は厚生労働省の安全管理ガイドラインの第6.0版への改訂、経済産業省・総務省の医療関連のガイドラインの第1.1版への改訂に加え、医療法の施行規則の一部改正等が行われた。サイバーセキュリティ対策は医療機関の法的な義務とされ、医療法に基づく立入検査の項目としてサイバーセキュリティ対策が位置づけられた。

弊団体は医療分野における情報セキュリティの重要性を啓発するために2013年に活動を開始したメディカルITセキュリティフォーラム(MITSF)を前身とし、2019年10月に現在の名称に改称した非営利的団体であり、多くの法人会員、個人会員、および協力企業を擁する団体に成長した。

会員向けの無料サービスとして、ほぼ毎日の日本語でのセキュリティニュース配信、毎年10回のセミナーと1回の日米合同ワークショップ、分科会活動、被害防止最小化活動、医療機関に対するクラウドファンディングによるセキュリティ予算の支援、医療機関に対するオンライン無料相談等を行って来たが、今後もこれらの活動をより活発化させるとともに、実際の医療分野で情報セキュリティに関連する問題を解決するための、具体的なサービスの提供にも注力していきたい。

弊団体は、セキュリティに関する情報や経験を共有できる信頼できるコミュニティとしての役割を果たすことビジョンとして重視しており、医療・介護・福祉関連の機関や、それらの機関に所属する個人においては、様々な情報の取得やセミナー、ワークショップ、および分科会への参加が一切無料であるので、多くの医療機関の入会を期待している。

令和5年4月
一般社団法人 医療ISAC代表理事
愛知医科大学医療情報部長・特任教授
深津 博